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2009/10/09

日刊CARGO 2009年10月9日

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エアカーゴ最前線<成田編>航空集配サービス 成田生鮮センター 迅速処理で鮮度維持

航空集配サービスの成田生鮮センターは、成田空港外の千葉県山武郡芝山町にある。同社は生鮮貨物の取り扱いで業界最大手だ。同センターでは、商品に精通し たスタッフが迅速な処理を行い、鮮度を維持。全国に構築したクールチェーンの下、同センターから各地の主要卸売市場、顧客に対し、時間厳守で配送する。

同センターでの業務は、同社の生鮮営業本部傘下の成田支店が管理する。陣容は約100人(傭車除く)。社員は約60人。主な組織には、顧客窓口のカスタ マーサービス課、現場オペレーションを行う作業課、車両手配などを手掛ける業務課がある。施設の総敷地面積は2万2,200平方㍍。敷地内には、全天候型 作業場(敷地面積=4,950平方㍍)、同支店本棟、冷蔵庫・冷凍庫、製氷工場などがある。

支店本棟は4階建て。2階にはクール室(延べ床面積=1,980平方㍍)。4階には同室が3ヶ所(451平方㍍、216平方㍍、568平方㍍)ある。冷 蔵・冷凍庫は全天候型作業場の脇に4個、支店本棟4階に2個、合計6個構える。設定温度帯はマイナス5度~10度。品目、状況に応じ、調整する。

敷地内には専用の製氷工場があり、高級品のクロマグロ、ミナミマグロの梱包資材に氷を詰める作業などを行う。貯氷能力は80㌧。製氷能力は1日当たり40㌧。貯氷された氷はアイスシューター(2基)を通じ、梱包資材に入れられる。

氷詰め作業にはこだわりを持つ。空港到着後、内貨で同センターに搬入後、梱包資材を開梱し、発地側で同資材内に入れられた蓄冷材を抜き取る。その後、マグロのエラ中、腹部の隅まで丁寧に氷を詰める。

マグロは同センターで検品する。シッポ部分を専門スタッフがカットし、輸入者が、その切り口を見て、油ののり具合、色味などをチェックする。輸入者はマグ ロの価値を決め、出荷先の卸売市場を選定。同社はその指示にもとづき荷割(仕分け作業)し、全国に配送する。検品ステージは4ヶ所。

同センターでの取扱品目は、鮮魚、青果・野菜類、切り花類。空港内の上屋から搬出後、30分~1時間以内に同センターに搬入を完了。その後、仕向地別に輸 送する。翌日配送エリアは陸送の場合、北は青森、南は姫路。全国の主要卸売市場には2~5便のトラック直行便を運航しており、翌日朝の卸売市場のセリに対 応する。関東一円の量販店への配送ネットワークも持つ。また「羽田および成田からの航空輸送を活用すれば、北海道から沖縄まで、翌日配送が可能だ」(片岡 正宏執行役員生鮮営業本部副本部長成田支店長)とする。

現場作業では、環境に配慮し、 CO2削減に取り組む。その一つが、ゴミ分別の徹底だ。同センターに搬入された商品は段ボール、発砲スチロールなどの梱包箱に入っている。それらの廃棄時 に分別を徹底することで、資材の再利用が可能になるとともに、ゴミ処理費用の削減にもつながる。

エアカーゴ最前線<成田編>航空集配サービス 成田生鮮センター 迅速処理で鮮度維持