輸出貿易で品目、レーン拡大

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輸出貿易で品目、レーン拡大

関空内の自社施設KIX-Cpplexp.JPG取材記事(20170324:KIX).jpg

 

 航空集配サービスは、生産者から商材を購入し、自らが輸出者となる輸出貿易事業で、品目やレーンを拡大している。同事業は日本酒の輸出から開始したが、昨年は果物や海産物の取り扱いが拡大。レーンも上海向けがメーンだったものが、香港向けなど扱いが増え、またマレーシアやオーストラリア向けでの実績も出てきた。口コミで販路が広がっているほか、積極的に海外出張機会を増やすなど、海外の現地バイヤー開拓も図っており、今後は生産者とともに海外の食品展示会などに出展することも検討しており、さらなる事業拡大を進めていきたいとの意向だ。

 同社は2014年に酒販免許を取得。国内の酒造メーカーから日本酒を買い取り、フォワーダーと連携して輸出するスキームを構築した。当初は上海の食品輸入会社を通して、現地の日本料理店向けへの輸出から開始。そこから、既存の国内生鮮物流事業や海外ネットワークを通じての口コミが広がり、果物や海産物の扱いが出てきた。果物ではブドウやモモ、海産物ではホタテなどの実績がある。日本酒に関しても、顧客数やレーンの拡大が進んでいる。

 これまでの生鮮品の取り扱いで培った経験やノウハウ、保冷施設といったクールチェーンの強みも顧客からの評価を得ている。成田空港外の物流施設「成田ロジスティクス支店」(千葉県山武郡芝山町)の保税蔵置場には保冷施設を完備。15年8月には関西国際空港の第1輸出貨物ビルで定温倉庫「KIX―Coolexp」(キックス・クーレックス)も開設した。施設と国内の集配ネットワークを組み合わせ、産地からの引き取りや温度管理、出荷前の保冷梱包などにも対応している。

 輸出貿易事業を手掛ける貿易事業部の山口裕之課長代理は「輸出代行として生産者が輸出したいというニーズに応えているものもある。どれだけの梱包を行うかなど、コストや商材の特性に合わせて提案できる。現場も取り扱いを熟知しているので、それは強みになっている」と話す。

 食品の輸出に関しては、顧客や商品の良さを現地にも理解してもらうことを大事にしているという。既に取引のある日本酒の輸出では、その酒蔵の別の製品ができた際にサンプルを輸送し、輸出商材を拡大するなどの取り組みを実施している。山口課長代理は「生産者からは、輸出と言っても国内の商社に売っておしまいで、その先が分かっていないという声も多く聞く。フィードバックも伝え、輸出先がどうなっているかも知ってほしい。現地のバイヤーにも商品に込めている想いや良いところを届けるよう心掛けている」と、国内で流通する以上に生産者や出荷先の声を大事にしたいとしている。

 輸出貿易事業では、現在、海外バイヤーからの「こうした商品が欲しい」といった発注オーダーを受けて、商材を探して購入・輸出するケースが多いが、今後は積極的に海外に売り込みを図りたいとしている。アジアで実施されている食品展示会に生産者と一緒になって出展し、バイヤーの開拓も行なっていきたいとの考えだ。

 施設展開としても、関空のKIX-Coolexpの活用が進んでいる。同施設ではテキスタイルや機械部品などドライ貨物の取り扱いもあるが、現状、生鮮貨物は前年同月比4割程度の増加で推移している。保管だけでなく、検品、加工、梱包、氷の詰め替えなどの流通加工を提供しており、日ごろからサービス向上に努めることで、フォワーダーのサポートを実施し、取り扱いを伸ばしている。

 直近では、さらなる取り扱いの拡大に向けて、農協や漁協などへの輸出提案も進めているという。大阪支店の佐藤佑樹副支店長によると、生産者からの出荷状態は輸出向けに作られていないことがあり、鮮度維持の面で課題が生じる場合があるという。「直接当社で引き取り、輸出すれば鮮度維持が向上する。フォワーダーとのマッチングなども実施して、生産者とフォワーダーの双方にメリットがあるよう進めていきたい」としている。

 KIX-Coolexpは、定温庫(18~22度設定。326平方メートル、335平方メートル、264平方メートルの3カ所)、冷蔵庫(1~10度設定、297平方メートル)、冷凍庫(マイナス1~同20度設定、100平方メートル)と、さまざまな温度帯に対応可能。入出庫時に外気温の影響を受けにくくするための前室も設けている。温度管理システムを完備し、温度データの詳細を記録するとともに防犯カメラなどのセキュリティー機能を備えている。現在は、簡易的な冷却装置の導入も検討しているという。「市場から、また産地から上屋までのクールチェーンは構築できても、ランプサイドで一時的にそれが断絶する。保冷コンテナを利用すればコストが上がってしまうため、装置を利用して温度上昇のリスクを低減したい。年内には何らかのめどをつけたい」(佐藤副支店長)としている。