「物流」ができること、「物流」にできること

日刊CARGO2016年4月28日

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クールチェーンサービス強化

 

 

航空集配サービス(本社=千葉県習志野市、堀越大吉郎社長)はクールチェーン・サービスを強化している。例えば成田空港近郊の成田ロジスティクス支店には3温度帯対応倉庫によるサービス「KCOLD」を提供している。また、同じく成田空港近郊に位置する生鮮営業本部成田支店は空調施設や冷凍倉庫を完備。日本各地との生鮮輸送ネットワークも強みだ。航空集配サービスはまた、日本の食・農産物の輸出の取り組みも推進している。

 

 成田ロジスティクス支店は保税業務、保管・集荷・梱包などの各種サービス、輸入貨物の通関後の輸送などを手掛けている。昨年8月に保税蔵置場は約1548平方メートルとなり、初めて1万平方メートルを超えた。KCOLD関連の施設は定温庫(プラス19度、約264平方メートル)、冷蔵庫(プラス5度、約211平方メートル)、冷凍庫(マイナス25度、約23平方メートル)、前室(プラス19度、約66平方メートル)という構成だ。倉庫内での作業も可能で、例えば倉庫内にエンバイロテナーのコンテナを搬入して積み付けを行うケースもある。フォワーダーの貨物を中心に現在、機械、フィルム、化学品、医薬品などで「KCOLD」の需要があるという。3温度帯対応施設の活用および施設内でのコンテナ積み付け、冷凍・定温車両の運行の組み合わせ、同社の高品質などを背景に、クールチェーンを構築している形だ。

 

 そのほか成田ロジスティクス支店にはスモールパッケージ専用スペース、生鮮食品輸出向けの冷蔵庫(プラス5度、約80平方メートル)があるほか、爆発物検査装置も完備している。今後は梱包サービスも充実させるなど、多様化するニーズにワンストップで対応する体制を一層強化する方針だ。2017年の輸出入申告官署の自由化を見据えて、AEO認証の取得に向けた準備も進めている。

  三浦敏明取締役ロジスティクス営業本部長成田ロジスティクス支店長は「例えば通販市場の拡大などもあり、ニーズは多様化している。こうした多様化の動きにしっかり対応できるサービスを提供することが重要になっている」、成田ロジスティクス支店の川嶋健善副支店長は「時代の変化は速く、またサービス水準の要求も高まっている。お客さまのニーズをしっかり把握し、的確なサービスを提供していく」と語る。

 

 生鮮営業本部成田支店は、従来の市場向けの輸送とともに、量販店向けの輸送需要の高まりにも対応している。量販店の納品時間に対応した拠点、ネットワークづくりを進めているほか、量販店向けサービスの一環として専用機材を導入した自動パック詰めなどの加工作業も手掛けている。

  市場関連物流については、日本各地の生産地・市場を結ぶ輸送ネットワークの強化、海上輸送を含めたネットワークの構築にも取り組んでいる。生鮮営業本部の今別府格副本部長成田支店支店長は「全国ネットワークを生かしながら、市場向け、量販店向けのサービスともに、多様化するニーズに柔軟に対応していく」と語る。

 

 一方、航空集配サービスは、豊富な生鮮貨物の取り扱いノウハウ、各種ロジスティクス機能などを生かして日本の食・生鮮、農産物の輸出拡大にも取り組んでいる。生鮮営業本部やロジスティクス営業本部、貿易事業部などが組織横断的に取り組みを進めているもの。

 例えば、既に日本酒の輸出も手掛けており、今後は各種生鮮・食料品をパッケージ化しての輸出の取り組みなども推進する。成田支店の全国的な生鮮輸送ネットワークや各種インフラ、成田ロジスティクス支店のインフラや保税機能との組み合わせ、あるいは、これまでの事業で培ってきた商社やフォワーダーをはじめとした顧客とのネットワークを生かす形で、生産者の販路開拓を後押しする。