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関空上屋で業務多様化

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関空上屋で業務多様化


 航空集配サービスが関西国際空港の国際貨物地区で運営する上屋の総面積は、「生鮮上屋」と「KIX―Coolexp」(キックス・クーレックス)、国際貨物第2代理店ビルの合計で7000平方メートル超。関空内では航空会社上屋を除くと最大規模を誇り、潤沢な定温倉庫スペースが強みだ。
 輸入生鮮上屋は約3570平方メートルのうち3247平方メートルをクール室として運営するほか、約300平方メートルの冷蔵倉庫を1度、5度、マイナス5度の3温度帯で運営する。クール室は全スペースを15~20度帯で運営してきたが、昨夏から約1100平方メートルを10度帯に変更。海上輸入される青果物の取扱量が増えており、これに最適な温度設定とすることで温度管理品質を高めた。同時に搬出入口を1カ所に絞り、より外気温の影響を受けづらくすることで庫内の温度変化も抑えた。
 生鮮上屋では花きや鮮魚、青果物などの輸入航空貨物を中心に取り扱うが、航空貨物の取扱量は近年、横ばいから減少の推移が続く。一方で海上貨物が増加したほか、KIX-Coolexpなどで通販商品などの小口貨物の輸入許可前作業の受託も増えており、これら新規業務の伸びで大阪支店全体の取扱重量は増加傾向にある。今後、生鮮上屋では既に一部取り扱う検品や加工などの付帯業務の受託も増やしていきたい考えだ。
 一昨年8月に生鮮食品に特化した輸出上屋として開業したKIX-Coolexpでは、果実や鮮魚などの取り扱いが年々増加している。KIX-Coolexpの上屋面積は約3000平方メートルで、このうち1532平方メートルを空調室、1466平方メートルを常温倉庫として運営。空調室では、定温庫(18~22度)と冷蔵庫(1~10度)、冷凍庫(マイナス1~10度)の3温度帯を提供している。空調室には前室を設けて入出庫時に外気温の影響を受けにくくしている。商品ごとの温度設定に対応するほか、温度管理システムによって温度データの記録も取る。
 KIX―Coolexpには常温庫もあり、生鮮食品に限らず電子・電気関連や機械部品などの一般貨物も多く取り扱う。昨夏から一般貨物を対象にした梱包業務の提供も開始。関空内で梱包サービスを提供する会社は少なく、自社で手掛ける木枠梱包などの受託が伸びている。片岡正宏執行役員(営業本部副本部長大阪支店長)は「主力事業の周辺業務や新規事業にも積極的に取り組むことで事業拡大を図っていきたい」と話す。


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航空集配サービスの「KIX-Coolexp」