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航空集配サービス 医薬・温度管理貨物に注力

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医薬・温度管理貨物に注力 


 航空集配サービスは医薬品を含む温度管理貨物の取り扱い拡大を目指す。昨年10月には成田ロジスティクス支店(千葉県山武郡芝山町)の保税蔵置場に中温庫、冷蔵庫を増設。同倉庫で精密機器や溶剤など医薬品以外の温度管理が必要な貨物を取り扱い、既存の3温度帯倉庫「KCOLD」を医薬品専用倉庫とした。ロジスティクス営業本部成田ロジスティクス支店の川嶋健善副本部長・支店長は「医薬品とその他の温度管理が必要な貨物の扱いを分け、GDP(医薬品の適正流通基準)に準拠する設備とした。また、増床により温度管理が必要な貨物の保管スペースも増えた」と話した。
 同社はGDPに準拠した品質管理体制の構築を進めている。2年ほど前に医薬品の取り扱いに関する各種手順書を作成。昨年はパートナーのフォワーダーとGDPに準拠した施設仕様の実現を進めた。フォワーダーの意見も参考に、エンバイロテイナーなど各種コンテナの充電ができる設備なども設置した。
 KCOLDの施設機能は、定温庫(設定温度は15〜25度、約264平方メートル)、冷蔵庫(2〜8度、約211平方メートル)、冷凍庫(マイナス20度、約23平方メートル)、前室(19度、約66平方メートル)。ペストコントロールとして防虫・防鼠・衛生管理を行っている。前室につながる扉と定温庫へつながる扉は同時に開かない仕組みで、定温庫に直接、外気が入り込むことがないなど高機能な仕様。庫内の温度は常に計測しており、設定した温度帯から逸脱すると関係者にメールが送信、速やかに対応できる体制となっている。
 昨年10月に増設した中温庫1室(19度、約229平方メートル)、冷蔵庫2室(5度、263平方メートル、256平方メートル)では精密機器やフィルムなどの温度管理が必要な貨物を取り扱う。半導体製造装置などの大型精密機器の搬入を想定して高さ3.5メートルの扉を設置した。
 同施設は監視カメラ、警備員によるセキュリティー管理も万全だ。輸出入保税蔵置場として登録しており、保税貨物の保管、通関も可能。同支店では主に輸出貨物を取り扱っているが、空港上屋の冷蔵倉庫が満床の際は同倉庫で輸入貨物を保税倉庫として利用できる。
 成田ロジスティクス支店は倉庫面積1万3595平方メートル、保税蔵置場の許可面積1万4379平方メートル。陣容は作業、事務スタッフを合わせ約90人。10トンフォーク、ULDワークステーションを完備する。


写真キャプション
ロジスティクス営業本部成田ロジスティクス支店
川嶋健善副本部長・支店長