関空定温上屋「KIX-Coolexp」運用　航空集配サービス　

　
　航空集配サービスは、世界各地から航空貨物として輸入される青果物、鮮魚、花きなど、鮮度維持が求められる生鮮関連貨物を輸送するリーディングカンパニーだ。成田、中部、関西、福岡といった主要国際空港内外に自社施設を構え、専門性の高いサービスを提供している。
　近年は生鮮食品の輸出貨物の取り扱いにも注力しており、荷主、代理店、卸売市場から引き受けた貨物を航空会社に引き渡すまでの一貫したクールチェーンを構築、提供している。特徴的な取り組みは関西圏で進めている。
　関空国際空港貨物地区には、生鮮上屋（1棟賃借）、第1輸出貨物ビルの定温倉庫「KIX-Coolexp」のほか、第2国際貨物代理店ビル内に施設を確保している。それぞれ、関西エアポートから賃借。日本の空港内で最大規模の定温上屋・倉庫を運営している。輸入生鮮貨物を取り扱う生鮮上屋の機能はクール室（10～18度設定）、冷蔵庫（1度設定および5度設定）、冷凍庫（マイナス5度設定）という構成だ。
　一方、「KIX-Coolexp」では一般輸出入貨物および生鮮輸出貨物を取り扱う。2015年8月に整備した。定温庫（18～22度）、冷蔵庫（1～10度）、冷凍庫（マイナス1度～マイナス20度）を完備している。冷蔵庫の面積は297平方メートルであり、コンテナごとに搬入することも可能。また、冷凍庫の面積も100平方メートルと大型のため、フォークリフトの出入りが可能なほか、パレット貨物の保管もできる。これら施設への貨物搬出入時の温度変化を防ぐために前室（15～22度）も設置している。温度管理システムを完備し、温度データの詳細を記録するとともに、防犯カメラなどのセキュリティーも整える。
　片岡正宏執行役員生鮮営業本部副本部長大阪支店長は、輸出の荷動き自体は「イチゴ、モモ、ブドウなど青果物は増えている。市場自体が着実に広がる中、それら需要を取り込むとともに、顧客から継続的にサービスを利用していただいている」とする。
　関空は昨年9月、台風の被害を受け、国際貨物地区の業務が一時的に停止した。関西エアポートが事業継続計画（BCP）を策定しており、同社もそれらBCPに沿った取り組みや情報共有も図りつつ、独自の取り組みも進めていく方針だ。片岡執行役員は各種取り組み「現在のサービスに磨きをかけ、顧客により安心して任せていただける状況にしていく」と述べた。

写真キャプション　KIX-Coolexp