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空港外保税強化へ人員増

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空港外保税強化へ人員増
航空集配サービス福岡営業所
 

 航空集配サービスの福岡営業所は福岡空港貨物地区近くの博多区榎田に事務所と倉庫2棟を構える。陣容は稲葉雅之福岡営業所長を含め約30人。取扱貨物(売上ベース)の割合は生鮮8割、ドライ2割。自社保税倉庫でのドライ貨物の取り扱い強
化もありドライ比率が高まっている。
 福岡営業所は2017年6月、ドライ貨物を取り扱う第2倉庫で保税蔵置場を設置し、運用を開始した。保税蔵置場面積は1439平方メートル。倉庫前スペースも保税エリアとし、車上通関を可能とした。倉庫内の保税蔵置場面積は、定温庫(設定温度帯は10~20度)が330平方メートル、常温庫が759平方メートル。保税蔵置場を定期的に利用する顧客数は約10社。保税蔵置場での貨物取扱量は増加傾向にある。輸出航空貨物では半導体関連に加え、一部で生鮮輸出貨物もある。
 顧客の利用形態は①保税業務を同営業所に全面的に委託②空港外の自社保税蔵置場が手狭のため一部委託――の2点という。
 フォワーダーは17年10月に輸出入申告官署が自由化したことを受け、各地でオペレーションの見直しを図った。その中で、同空港は18年2月、貨物地区が移転した。移転後の同地区には国際貨物の荷捌き作業用エリアとして「国際貨物作業場棟」が設けられた。フォワーダーは同地区で手倉作業を行うためには、共同上屋を運営する福岡エアーカーゴターミナル(FACTL)から同棟の区画を賃借する必要がある。
 一方、同空港至近のエリアには物流用の開発地がほとんどない。稲葉所長は「空港内に自社のスタッフとフォークリフトを配置し、自社で作業をするのか。空港外で自社もしくは他社の保税蔵置場を利用するのか。費用面では空港外の他社委託に大きなメリットがある」とする。
 これまでも同社は成田空港外、中部国際空港、関西国際空港の自社保税蔵置場でドライ貨物を取り扱ってきた。第2倉庫では、通関、検量・検尺、梱包、在庫管理、爆発物検査も可能だ。保税業務強化に向けては20年度(20年4月~21年3月)、6人増員し、営業、現場でそれぞれ3人を配置する。稲葉所長は「保税蔵置場での貨物取扱量は増えてはいるが、さらなる営業強化を進め、取扱量をさらに伸ばしたい」と意欲を示す。

生鮮ネットワークを細かく

 生鮮貨物を中心に取り扱う第1倉庫の施設面積は1757平方メートル。温度管理が可能なクール室作業場、冷凍・冷蔵増庫を完備する。また、空港貨物地区にはフォークリフト2台を置き、輸入貨物の到着後、速やかに上屋から引き出し、同倉庫へのシャトル便で横持ちする。輸入生鮮貨物は、福岡空港の運航機材の小型化などスペースの問題がある。成田国際空港や関西国際空港での到着後、トラックで福岡に搬入するケースも増えているようだ。
 輸入では海上貨物も取り扱う。博多港揚げの40フィートコンテナを第1倉庫までドレージで引き込み、航空貨物と同様のオペレーションを行う。取扱貨物は切り花類が多く、台湾のオンシジュームや韓国のユリがメイン。輸入商材の配送では、「納品先は従来、大卸に一括で持っていくものだったが、現在は大型スーパー・量販店、加工会社向けも増えている。ドライバー不足の中、業務効率化は必須。トラック会社の協力会社の開拓も進め、配送網をさらに細分化していく」とする。
 一方、輸出航空貨物取扱量は着実に伸びており、イチゴや牛肉では、有名ブランドに次ぐ商材まで広がりがある。長浜鮮魚市場(福岡市)や福岡市中央卸売市場で青果卸売を行う福岡大同青果(福岡市)などで競り落とされた輸出商材については、「市場での集荷から当社倉庫への搬入、空港上屋での引き渡しまで一貫して手掛けられるようフォワーダーに提案している」。現状は生産者手配のトラックで同社倉庫に搬入する。
 生鮮関連では輸出入とは別に、国内航空の変化の影響もある。例えば、札幌発福岡着の直行便の減少・機材小型化でウニやホタテなど北海道産の高級食材が減少傾向という。また、保冷技術の向上で、国内航空から、日本貨物鉄道(JR貨物)、トラック、フェリーへの切り替えもあるようだ。稲葉所長はまた、「ドライバー不足や働き方改革の観点から、長距離輸送からセンター拠点を利用した中継輸送が増えている」とする。トラック輸送の場合、別のトラックに積み直し、貨物を引き渡す。ほかにも、トレーラーのフェリー利用もあるなど、国内物流の変化が国内航空貨物に出ていると分析する。

待望の10トン車を増車

 輸出入とも流通を含めた環境変化への対応が求められる中、投資面では今年7月、10トン車2台の増車を予定する。昨年4月に発注した待望の車両だ。
 体制面では、現倉庫周辺での物件探しは継続する。第1倉庫、第2倉庫の距離は数十メートルだが、「良い物件があれば移転、集約しオペレーションの効率化を図るとともに、規模も拡張したい」と語る。

写真キャプション
左:保税蔵置場がある第2倉庫
右:稲葉雅之福岡営業所長