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CEIVファーマ特集 Dairy Cargo掲載

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ニーズ多様化で梱包メニュー拡充

 

 航空集配サービスは多様化する医薬品輸送ニーズへの対応を強化している。成田空港近郊の拠点に医薬品専用庫「K-COLD」を構える成田ロジスティクス支店では梱包メニューの拡充を進めている。温度管理が必要な医薬品の輸送では、アクティブコンテナでの輸送に加え、パッシブ型での輸送ニーズが増加していることから、航空集配サービスでは各メーカーの取り扱いが可能な体制を整えている。容器の種類によって、温度管理のSOP(標準作業手順書)や取り扱い要件があるため、どのような案件にも対応できるようにしているという。
 
 パッシブ型のニーズ増加から、同梱される潜熱蓄熱材(PCM)の調温作業を行うサービスも開始した。梱包・保冷材の資材手配から、調温・梱包作業まで一括で行うことで、顧客の作業負担の軽減に貢献するほか、輸送効率の向上にもつながっているという。例えば航空集配サービスで調温作業を行った場合、調温済み資材を手配した場合と比べ、航空機搭載までの時間を短縮することができるため温度維持時間を有効活用できる。現地での待機時間のリスクヘッジや、到着空港以遠の目的地までの輸送にも対応できる。
 
 サービス拡充とともに品質強化、さらなる投資計画も進めている。品質面では昨年7月に設置した品質管理室が中心となり、医薬品の取り扱いも含めてオペレーション全体の品質マネジメントシステムの構築・改良や、コンプライアンスの徹底、作業の標準化などを進めている。K-COLD は GDP(医薬品の適正流通基準)や CEIVファーマの認証を取得する物流業者が指定倉庫として利用している。品質をさらに引き上げて、顧客層の拡大にもつなげていきたいとの考えだ。
 
 投資計画では K-COLD の改修・拡張を検討している。成田ロジスティクス支店の佐藤佑樹副支店長は「温度管理施設を整備したのは2018年。成田地区での医薬品専用庫としては比較的早い取り組みだったが、以降、他社の施設整備も進んでいる。最新の設備を導入するなど必要な投資を行い、存在感を示していきたい」と話す。また、集荷配送における保冷輸送の強化に向けて、自社車両の導入も検討しているという。

写真キャプション
成田ロジスティクス支店の医薬品専用庫「K-COLD」