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医薬品庫にX線装置、温度逸脱リスク低減 Dairy Cargo掲載

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成田ロジ医薬品庫

医薬品庫にX線装置、温度逸脱リスク低減 
航空集配サービス・KS/RA厳格化対応


 航空集配サービスは成田空港外に構える医薬品専用施設「NRT-KMedical(以下、KMedical)」にX線検査装置を配備し、温度管理環境下での医薬品の爆発物検査に利用する。国際航空貨物輸送のセキュリティ確保と物流円滑化を目的とするノウンシッパー(特定荷主=KS)/レギュレーテッドエージェント(特定航空貨物利用運送事業者など=RA)制度の厳格化により、来年1月から貨物の「中身」までの安全確認が義務化される中、温度管理が可能な医薬品専用庫内で爆発物検査を実施する体制を整えることで、温度逸脱のリスクを抑えた高品質な医薬品輸送サービスの提供を目指す。

 非KS貨物に対しての中身確認の義務化については、事業者の多くはX線検査装置を導入することで対応を図っている。検査装置は普通倉庫に配備するのが一般的。医薬品など温度管理が必要な貨物を検査する場合は、簡易的な温度管理容器に収納した上で検査を行うなどの対策が想定される。ただ、検査には一定の時間を要することもあり、外気温の変化に伴う温度逸脱の発生リスクは残る。
 そこで同社はKMedicalの定温度帯(プラス15~25度)スペースにX線検査装置を配備し、温度管理環境下での検査が可能な体制の整備を進めている。成田ロジスティクス支店の佐藤佑樹支店長は「開梱およびX線検査が困難な医薬品等については当面の間、従前のETD検査による安全確認が可能になったが、医薬品専用庫内でX線検査を行う体制を整えることで、高品質なサービスを提供する。また、医薬品専用庫内にX線検査装置を置く事業者は限られており、輸送品質への影響を不安視していた顧客からは好意的な反応をいただいている」と語る。冷蔵帯(プラス2~8度)の貨物については今後対応を検討していく。制度の厳格化自体は1月から始まるが、同社は装置搬入のスケジュールを踏まえ、猶予期間の措置をRAへ依頼し、3月からのX線検査体制の移行を計画している。

成田7台など全国で11台のX線装置導入
 KMedicalへの導入分も含めて、成田地区の拠点では計7台のX線検査装置を配備する。内訳は大型が2台、中型が1台、小型が4台で、貨物のサイズや特性に応じた柔軟な検査が可能な構成とする。また、成田以外の拠点では大阪に2台、中部に1台、福岡に1台を導入。4拠点に計11台のX線検査装置を揃え、新基準に基づく爆発物検査に対応していく。中部や福岡では検査装置の配備を見送ったRAも多く、そうした事業者の貨物の受け皿としての役割も想定している。X線装置を活用した検査体制への移行は成田と同様に、各拠点とも3月からを予定。川嶋健善品質管理室長は「各拠点では電源の確保や床荷重の補強などの工事に着手している。装置搬入後に速やかに稼働できるよう、事前準備をしっかり進めていきたい」と話す。
 人員配置については、1月中に予定している装置搬入後に具体的な体制を固めていく。検査員の教育では、1、2月にトレーニング認定事業者の講師を招いた研修を成田と大阪の拠点で実施。中部と福岡の担当者は大阪での研修に参加する。外部研修を受けた検査員が社内講師となって波及教育を行い、必要な人数の検査員を育成していく。
 現在のETD検査を中心とした運用に比べて、貨物の種類や梱包形態によって現場オペレーションが複雑化する懸念もあるといい、実際の運用状況や業務負荷を見極めながら、必要に応じて各拠点で増員も視野に入れて対応していく考えだ。

写真キャプション
X線検査装置を配備する医薬品専用施設「NRT-KMedical」内観