月刊SPACE 2009年4月号

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月刊SPACE 2009年4月号

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フレッシュ商品を新鮮なまま届けます 航空貨物業界は未だかつて経験したことのない輸送需要の減退に苦しんでいる。とはいえ、日本では野菜・果物・魚介類や花卉などは海外から輸入する構造が定 着して久しい。もはや日本の食卓や日常にとって、無くてはならない海外からのそうした生鮮物のデリケートな輸送のプロフェッショナルが、航空集配サービス 株式会社だ。 航空集配サービス株式会社は生鮮輸送のほか、ドライカーゴ(一般貨物)オペレーションや引越し、通販支援ロジスティクス、物流コンサルティングなどの事業も展開しているが、中核事業はやはり生鮮物の輸送である。まずは扱い品目ごとに現状を紹介していこう。

●野菜・果物 野菜・果物においては日本から輸出されるブランド品種もあるが、日本への輸入の扱いがやはり多い。その品目や出荷地域は代表的なものだけでも次の通りだ。 春以降に入荷するものとしては、チェリー、イチゴ、マツタケなどがある。秋から動き出すものは、オクラ、アスパラガスなどがあり、さらに年間を通じて入荷するものとしてパプリカなどがある。 以上は代表的なものだが、このほかにマンゴー、パパイヤ、ドリアンといったものまで、ひとつひとつ取り上げたら切りがないほど、多様な品目が空輸されて来る。 気がかりなのは食の安全が問われる時代、残留農薬や餃子事件の影響から、中国産の野菜の輸入が減少したことだが、最近は回復傾向を見せているという。航空 集配では「葉モノ野菜やイチゴなどのベリー類は傷みやすいため特に温度管理が重要で、そうした貨物の扱いや商品の検品、選別などについては高い評価を得て いる」と経験とノウハウの蓄積に裏打ちされた自信を語る。 たとえば、果物と言っても南国産には+5℃では低温すぎるものもあるというから、十把ひとからげで扱うわけにはいかないのである。

●鮮魚 鮮魚についても代表的な輸入品目をあげてみると、アンコウ、サーモン、ウニ、マグロなど。 健康志向を背景とした寿司や日本食ブームに加え、狂牛病や鳥インフルエンザなどの発生による食肉から鮮魚への需要シフトにより、魚介類の消費は世界的に拡大してきた。いままで魚を食べなかった人々が、生魚を食べるようになるという、これまでにない変化が生じている。 経済が急成長を遂げた中国に、日本が魚介類を買い負けるといった状況さえ出現した。それでも、やはり日本人が世界で一番サカナを食べる国民であり、その多くを輸入でまかなっていることは間違いない。 「輸送時において魚介類は野菜や果物と異なり、発泡スチロールに入れて氷詰めにすれば、気温によって鮮度に影響を受ける心配が少ない」と航空集配の担当者は語る。 氷は魚介類を低温に保つだけでなく、消臭や洗浄効果も期待できるもので、同社で氷詰めを行うケースも増えているという。そのため、航空集配では成田に日産40トンの製氷工場を整備済み。また、成田のほか、関西空港や中部空港にも製氷機を導入している。 さらに、消臭のためにオゾン水を使える設備もある。氷が威力を発揮するといっても、夏場には充分な注意が必要だし、保管時の温度管理に関しては冷凍施設で、注意深くコントロールしているのは言うまでもない。

●花卉 花卉の代表的な輸入品目には次のようなものがある。トルコ桔梗、カーネーション、バラ、オンシジウム、ランなどである。 日本はヨーロッパ諸国に比べて花を飾ることがまだ少ないと言われる。それでも代表的なものだけ取り上げても、上記の通り色々な種類が輸入されている。 「扱う花の種類や色はもちろん、バリエーションが豊富だし、たとえ同じ花でも季節やロット、個体差によって状態は異なり、厳密には同じ花はひとつもない」という。 そうした中で極めてアナログに選別・判断を下していくことになるわけだ。ただし、間違えや作業者による基準にブレが生じないように、同社ではマニュアル化を進めノウハウを蓄積している。 国内4大空港の生鮮施設を整備 生鮮品は荷主が市場価値を見ながら、どこの市場にどのタイミングでどのくらいの量を出荷するかで利益が大きく異なる。そのため、荷主が保管施設に通って検品したり、あるいは航空集配の社員が商品を写真撮影して、荷主にメールするような作業も日常的に行われている。 同社の強みは、大量の貨物を短時間で発送するオペレーション・システムとクールチェーンを維持できる施設、当日通関されたものの大部分を、その日のうちに全国の市場へ届けることが可能な配送ネットワークだ。 成田や関空には3,000㎡規模のクール室を整備し、中部空港には600㎡の施設を備えている。また、成田では冷蔵倉庫を6つ稼動させており、商品ごとに最適温度で保管できるようになっている。 ことし5月には福岡営業所を福岡空港の近接地に移転するとともに、空調室や冷蔵倉庫を充実させる。これにより国内の4大空港の生鮮施設の整備は一段落する。 こうした施設の維持運営には電気代やコスト負担は大きいが、同社では断熱、密閉、運用方法などを細かく見積もりして省エネに取り組んでいる。そのうえ輸送に使った紙やダンボールなど、あらゆるもののリサイクル・システムも構築している念の入れよう。 「輸出や国内物流にも目を向けて、生鮮輸入との相乗効果でより良いサービスを提供していきたい」と、果敢にこの難局に挑戦する航空集配だ。

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